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特別償却と税額控除どっちがお得?

設備投資をするときは節税のチャンスです。
設備投資に対しては、その時々の国の政策目標を実現するために、優遇措置が設けられていることがよくあるからです。

そして、その優遇措置は「特別償却」と「税額控除」との選択ができる場合が多いため、どちらを選択すべきか納税者を悩ませます。

皆さまも顧問税理士から「特別償却にしますか?」「税額控除にしますか?」と聞かれたことがあるかもしれません。

そのとき、皆さまはどのように判断していますか?
この判断を誤れば、せっかくの節税のチャンスを活かせないどころか、その判断が会社経営の足を引っ張ってしまうことすらあります。

チャンスは是非とも活かしてください。
判断基準はいくつもありますが「キャッシュが残ること」「資金繰り」この2つがメインになります。

当記事では、どのような場合に特別償却がお得で、どのような場合に税額控除がお得かという代表的なケースをご紹介しますので、ご自身の会社の状況に合わせて応用していただければ選択を誤る可能性は小さくなると思います。

会社を一番理解しているのは経営者であり、会社に対して一番責任を負っているのも経営者です。
どちらを選ぶのかを税理士任せにするのではなく、会社の状況を踏まえた上で税理士と話し合い、最良の選択をしてください。

当記事がそのヒントになれば幸いです。

お得を選ぶために

  • 特別償却とは
  • 税額控除とは
  • ケース別判断

特別償却とは

特別償却とは、要件を満たした設備等を購入し、使用開始した場合に、通常の減価償却費(普通償却額)に加えて、取得価額に一定割合乗じた額の償却を認める制度です。(狭義の特別償却)

これ以外に割増償却というものがありますが、適用する場面がほとんどないので、ここでは割愛させていただきます。

特別償却額は、「取得価額ー普通償却額」(即時償却)であったり、「取得価額×30%」であったり、適用する制度によって異なります。

特別償却の特徴は「将来の減価償却を先取りできる」という点です。

あくまでも経費の先取りですので、翌期以降の経費は減少します。将来の期間を含めた経費の総額は同じです。
ということは、設備投資をした事業年度の納税額は大きく減少しますが、翌事業年度以降の納税額が増加します。

つまり、納税の将来への繰延べです。トータルで見れば特別償却に節税効果はありません

特別償却の利点は、節税ではなく「投資額の早期回収」です。投資を早期に回収することで資金繰りが安定します。

例えば、特別償却が1,000万円で税率が40%の場合は、特別償却を適用することによって400万円(1,000万円×40%)資金繰りに余裕ができます。
返済期間=資産の耐用年数、利率=0%(無利息)の条件で国から借入れをしたと同等の効果があるのが特別償却です。

税額控除とは

税額控除とは、取得価額に一定割合を乗じた額を本来納めるべき税額から控除できる制度です。

税額控除の額は、適用する制度により「取得価額×7%」や「取得価額×10%」などまちまちです。
実際に控除できる税額は、本来納めるべき税額の20%などの上限が設けられているため、状況によっては制度をフル活用できないこともあります。

ただし、上限に引っかかって税額控除しきれなかった場合であっても、その控除しきれなかった部分を翌期に繰り越して控除できる制度が多いので、その場合は2期トータルで控除しきることができればフル活用ということになります。

このように税額控除制度は、納税の繰延べではなく納税額そのものを減らし、キャッシュが残ります。
その意味では、まさしく節税と呼べる方法です。

例えば、投資額1,000万円で控除率7%の場合は、最大70万円の節税が可能です。

多くのケースでは税額控除を選択した方がお得になります。

ケース別判断

【前提条件】
設備投資「1,000万円」
償却期間「5年」  償却方法「定率法」
特別償却「即時償却」税額控除「10%」
税  率「40%」

【ケース①:資金繰りが苦しい場合】
何らかの理由で資金繰りが苦しい場合は、特別償却の選択を考慮します。

税額控除という節税効果は魅力的ですが、資金繰りの問題は会社の生死に関わりますので、特別償却によって資金繰りを安定させる方法を検討してみてください。

ただし、設備投資額が少ない場合や特別償却率が低い場合には、資金繰りを安定化させる効果が小さいので、特別償却を選択した際の効果をあらかじめ試算してから判断した方が良いでしょう。

上記の前提ですと、400万円(1,000万円×40%)を返済期間5年、無利息で資金調達するのと同じ効果がありますが、設備投資額が500万円になれば資金調達額は200万円(500万円×40%)に、償却率が30%になれば資金調達額は120万円(1,000万円×30%×40%)になってしまいます。
 

【ケース②:翌期まで納税額が発生しない見込みである場合】
創業期である場合や繰越欠損金がある場合などで、翌期まで納税額が発生しないと見込まれるときは、本来納めるべき税額がゼロのため、税額控除できる額はゼロです。
つまり、税額控除を選択する意味がないので、特別償却を選択した方が良いでしょう

ケース①の資金繰りが苦しい場合にも言えますが、このような状況にあるときは銀行との関係性を大切にしなければいけませんので、決算書を傷つけないようにしてください。

特別償却の方法は2通りあります。償却費相当額を損益計算書に記載する方法株主資本等変動計算書に記載する方法です。
前者は損益計算書に記載するため決算書上の当期純利益が減少します。特別償却費は金額が大きいので利益に与えるインパクト大です。
後者は損益計算書に記載しないので、利益に与えるインパクトはゼロです。その代わり法人税の申告書の記載が少し複雑になりますが、そこは顧問税理士が適切に処理してくれると思います。

銀行との関係性を考えるなら、当期純利益が大きい決算書を作ってください。
 

【上記以外の場合】
上記2つのケースに該当しない場合には、税額控除を選択した方がお得になることがほとんどです。

しかし、会社を取り巻く状況は複雑ですので、上記の考え方を念頭に、自社にとってどちらが本当にお得なのかを顧問税理士とよく話し合って決めてください。

税理士は試算表を読みとることはできますが、会社内部のことや会社の先行きまではわかりません。
計数に強い税理士と会社の実状をよく知る経営者が協力することで、会社を豊かにする税務戦略が可能になります。

さらに踏み込んだお手伝いが必要なら

当事務所の法人税務支援では、会社の成長に寄与する節税を考え、中・長期的にお客さまのお手もとに最も多く現金が残せるように納税プランニングをいたします。

法人の税務に特化した当事務所の支援策にご興味のある方は、お気軽にお問合せください。

 

 

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