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会社がモノやサービスを世に出そうとする際には当然ながら勝算があるからに他なりません。
では、その勝算の根拠はどこにあるのでしょうか?
モノやサービスの機能面の独自性・価格の安さ・経営者の経験など様々なものが挙げられます。
これらのうち、業界で経験を積み、荒波を乗り越えてきた経営者の方の経験にもとづいた嗅覚は、非常に重要な成功要因のひとつと言えますが、時には先入観によって客観的な顧客分析が妨げられてしまうこともあります。
理論だけで経営はできませんが、実践(経験)だけで不確実性が高い現代社会を生き抜いていくには心もとないです。
そこで、ビジネスの成功確率をより上げるために、経営者の嗅覚にプラスαで理論という武器を持ってはいかがでしょうか?
当記事では、イノベーション研究の第一人者であるハーバード・ビジネス・スクールのクレイトン・クリステンセン教授が発表した「ジョブ理論」をご紹介します。
記事だけではとてもすべてをご紹介しきれませんが、顧客のニーズをとらえ会社が成長するヒントになれば幸いです。
ジョブ理論ではジョブを「特定の状況下で顧客が成し遂げたい進歩」と定義します。
そして、このジョブを片づけるモノやサービスこそが世に求められるとしています。
これではイメージが湧きづらいので電車で例えるならば、特定の状況下とは「電車を待っている間」、「乗車中」、「降りてから改札までの間」など、顧客が直面している特定の状況をいいます。
成し遂げたい進歩には機能的ジョブ(どのように成し遂げたいか)、感情的ジョブ(どのように感じたいか)、社会的ジョブ(どのように人から見られたいか)の3種類があります。
電車の例で言えば、機能的ジョブは「目的地まで移動したい」、感情的ジョブは「快適に移動したい」、社会的ジョブは特にないと考えられます。
これらをふまえて電車が解決するジョブのひとつを具体的に記述するとこうなります。
「電車に乗車中」の「ビジネスマン」は、「目的地まで時間通り快適に移動したい」
顧客が子連れの夫婦であったり、お年寄りに変われば電車のジョブも変わります。
ジョブを発見し正確に記述するには状況と対象顧客と願望を注意深く調査・観察しなければなりません。
3種類のジョブのうち、感情的ジョブと社会的ジョブを解決することが他社と差別化する際の重要なポイントです。
機能的ジョブは理性に訴えるものであるため、他社の商品・サービスへの乗り換えへの障壁が低いからです。
代替品にメリットを感じれば顧客は簡単に流出してしまいます。
その点、感情的ジョブと社会的ジョブは人の感情と結びついているため、顧客がファンになってくれる可能性があります。
ジョブ理論では、ジョブを発見する方法として次の5つが紹介されています。
それぞれについて簡単に事例を交えて解説します。
【生活に身近なジョブを探す】
そのままの意味ですが、日々の生活の些細なところから浮かんだひらめきから積極的にジョブを生み出すというものです。
ソニー創業者の盛田昭夫氏によるウォークマンの大ヒットは、「人々の生活を注意深く観察して彼らの望みを直感し、それに従って進む」という信念にもとづいて行動した結果だとされています。
【無消費を探す】
世の中には未だに解決策が提供されておらず、何も消費していない無消費の状態の顧客がいます。
民泊情報サイトを運営するエアビーアンドビー社の利用者の40%は、エアビーアンドビー社がなければ旅行に出かけなかったか、家族の家に泊まっただろうと言うそうです。
このように無消費状態の人々のジョブを掘り起こすという方法です。
【その場しのぎの対処策を探す】
ジョブの解決策自体は存在しているが、その解決策には満足しておらず、その場しのぎの対処をしている人からヒントを得る方法です。
【できれば避けたいことを探す】
CSVミニッツ・クリニックは、子を持つ働く親がありきたりな病状で子供をクリニックへ連れて行き、なんだかんだで貴重な半日が潰れてしまうという経験に注目し、予約なしで上級看護師が日常的な疾患に対する薬を処方するビジネスモデルを作り上げました。
【意外な使われ方を探す】
意外な使われ方は「重曹」が良い事例です。
本来重曹はパンを焼くときの材料として売られていましたが、購入者の使い方を観察したところ掃除・歯磨き・脱臭といった本来意図していなかった使われ方がされていました。
そこからヒントを得て洗剤や消臭スプレーなどの新製品が多く開発され、巨額の収益を生んだとされています。
顧客のジョブを引き出すためには、顧客へ質問することが効果的です。
そこで、最後に相手のジョブを把握するために頭に入れておくべき5つの問いをご紹介します。
出典:津田真吾 INDEE Japan「ジョブ理論」完全理解読本
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