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少子高齢化にともなう人手不足、若者の大企業安定志向など、中小企業は厳しい人材獲得競争にさらされています。
しかし、外部環境は自社の力では変えることができません。自社でできるのは外部環境を所与のものとして何ができるのかを考え、それを実行していくことのみです。
人材の獲得が厳しい状況であるならば、今いる人材を大切にし活かすしかありません。
皆さまの会社では従業員の力を十分引き出せていますか?
忠実に指示には従うがそれ以上のことはしたくない、前向きに仕事に関わる、上司に怒られないことだけに注力する。
仕事への姿勢は様々です。
指示に従うだけでは、従業員は上司が指示するレベルまでしか能力を発揮しません。上司が従業員の能力をすべて把握することは事実上不可能です。
怒られないことだけに注力している従業員は近いうちに退職してしまうでしょう。
従業員の「仕事への前向きな姿勢」。これを引き出すことができれば、人材不足の中でも組織がパフォーマンスを上げることが可能ではないでしょうか?
当記事では、組織のパフォーマンス向上のために有効とされている方法を3つに絞ってご紹介します。
もちろんここに書いてあることがすべての会社にとっての正解ではありません。正解は置かれている状況により異なります。
当記事が皆さまの会社運営のヒントになれば幸いです。
例えば社内会議、会議出席者は活発に意見を出していますか?ただじっと会議が終わるのを待っている人はいませんか?
「報告・連絡・相談」は必要に応じてタイムリーに行われていますか?部下の仕事の進捗がわからない、隠されていたミスが後から発覚するなんてことが度々ありませんか?
これらが引き起こされる要因は、職場の「心理的安全性」が低いことにある可能性があります。
心理的安全性とは「チーム・職場の中で自分の思ったことを自由に発言しても不利益を被らないと感じられる状態」のことです。
この場合の不利益とは、「自尊心を傷つけられる」「批判的な反応を受ける」「恥ずかしい思いをする」などのことを言います。
心理的安全性は、グーグル社をはじめとする多くの先進的な企業がチームの成功のために重要であると位置づけており、様々な研究においてチームの生産性を高めることが実証されています。
心理的安全性が低い場合、会議や上司との関係において、発言・相談しても一蹴される、批判的に論破されて嫌な思いをするといった心理が働き、「何もしない」という姿勢を引き起こします。
逆に心理的安全性が高い場合は、安心して自分の思いを表現することが可能になり、それが生産性の高い会議・チームの形成へとつながります。
心理的安全性をつくるために必要な姿勢は「意見を受け止めること」です。
人それぞれ意見が違っているのは当然ですので、すべてを受け入れる必要はありません。自分と異なる意見を跳ね返すのではなく、真摯に受け止める。受け止めた上での議論が必要です。
議論とは相手の意見を退けて自分の意見を通すことではありません。より良い意見を創造するための協同作業です。
そして、「見た目の姿勢」は思いのほか相手の心理に影響を与えます。
部下からの相談をパソコンの画面を見ながら聞いていませんか?腕を組んで話を聞いていませんか?
ちょっとした意識の持ち方次第で、心理的安全性のある職場は実現可能です。
日本人にはなかなか難しいのがこのフィードバックです。
日本人には「言葉にして伝えない」という文化的特性があります。
そして、フィードバックには「指導・指摘」など、相手との緊張感を生むイメージがあるため、融和を好む日本人は避ける傾向があるのかもしれません。逆にやり方を間違うとパワハラと言われかねません。
しかし、このフィードバックをおろそかにした場合何が引き起こされるでしょうか?
自分の仕事が会社の役に立っているのか、やった仕事はどう評価されているのか、改善すべきところはないのかが、適切にフィードバックされない職場では従業員のモチベーションが下がるという研究結果は数多くあります。
承認欲求、自己重要感を得る欲求、成長欲求といったポジティブな欲求が満たされない職場ではモチベーションが上がらないというのは頷けます。
好きでやっている事に金銭的な報酬を与えると逆にモチベーションを下げるという実験結果があります。モチベーションを高めるためにはモノで満たすのではなく、感情で満たさなければなりません。
その感情を満たす方法のひとつがフィードバックです。
「よくやった!!」この一言だけでも立派なフィードバックです。
決して褒めることだけが良いフィードバックではありません。改善を促すフィードバックも成長のためには必要です。
改善を促す際には、変えられるものと変えられないものを意識しましょう。
「もっと自信を持ってプレゼンしろ!!」と言われても自信というものを直接変えることはできません。
変えられるのは、自信がないような印象を与える行動そのもの、例えば「目線」「姿勢」「声の大きさ」などです。
ひとつひとつの行動の集合体を解釈した姿が評価です。評価を変えるには行動を変えなくてはなりません。
経済学者のジャック・トレイナー教授のジェリー・ビーンズを使った実験をご存知の方は多いと思います。
瓶にたくさん入ったジェリー・ビーンズの数を56人の学生に推定させるという実験です。
学生全員の推定値の平均は871個でした。正解は892個です。
このときの誤差21個よりも誤差が小さく答えた学生は1人しかいませんでした。
この結果はたまたまではなく、何度繰り返しても「常に」個々の学生の推定値よりも集団の推定値の方が正解に近いという結果が出ました。
また、社会科学者スコット・ペイジ教授は、集団の知が個人の能力に勝ることを「多様性予測定理(集団的誤差=平均的個人誤差―予測多様性)」として提唱しました。
これらから企業に言えることは、不確実性の高い現代社会でベターな選択肢を選び、組織のパフォーマンスを高めるためには多様性がひとつの鍵になるということです。
ここで多様性とは、単に人数が多いことではありません。
似た人が100人集まってもそこから出てくる結論は、その中の1人が出した結論とさほど変わりません。
必要なのは異なる特性を持ち合わせた人が集まっていることです。
企業において特に重要なのは、仕事関連ダイバーシティであると言われ、これは「仕事の専門領域」「スキル」「経験」などが多様であることを指します。
いかがでしょうか?
不確実性の高い経済環境では、多様性が意思決定の質を高めるために有効です。
その多様性を発揮するためには職場の心理的安全性が必要です。
そして、適切なフィードバックによりモチベーションを高めれば、従業員の前向きな仕事への関与を促し、多様性の効果をより引き出すことが可能です。
多様性は企業規模によっては難しい場合もあると思いますが、心理的安全性とフィードバックは規模に関わりなく取り組むことができますので、一度検討されても良いのではないでしょうか。
当事務所の経営戦略支援では、会社の継続的な成長を支援するため、経営者の頼れる右腕となることを目的としています。
そのために日々研鑽・実践・フィードバックを重ねています。
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