孤軍奮闘する経営者のためのパートナー型税理士事務所

〒104-0033 東京都中央区新川1丁目3番21号 BIZ SMART茅場町4階
東京メトロ東西線・日比谷線「茅場町」駅より徒歩3分
JR京葉線「八丁堀」駅より徒歩7分

受付時間
9:00~17:00
定休日 
土曜・日曜・祝日

2種類のコスト理解で意思決定を磨く

人は複数ある選択肢の中から一つを選択するときに様々な要素を考慮します。
「今まで費やしてきた努力や費用」「それぞれのメリット・デメリット」「リターンとコスト」など、経営者は意思決定時に多くの情報を集め、統合し、自社に最適な決定を試みます。

この際にご注意いただきたいのは、意思決定に影響を与えるコストは「埋没コスト」と「機会コスト」の2種類があり、機会コストは意思決定をする際に考慮しなければなりませんが、埋没コストは考慮してはいけないという点です。

埋没コストにとらわれてしまうと利益を獲得するチャンスの逸失、損失の拡大につながります。

これについては会計に詳しい方ほど陥りやすく、行動経済学における研究で埋没コストの罠にはまってしまうメカニズムの解明が進んでいます。

当記事ではこれら2つのコストの理解を深め、皆さまの日頃の意思決定に役立てていただければと思います。

意思決定に関わる2種類のコスト

  • 埋没コストとは
  • 機会コストとは
  • 意思決定を磨くために

埋没コストとは

埋没コストとは、すでに支払いが済んでいて、どのような意思決定をしても取り消せないコストです。埋没コストは意思決定の場面で考慮してはいけません

わかりやすい例で言えば株式投資です。
2年前に100万円で購入した株式が現在60万円まで値下がりしているとします。このときの埋没コストは株式購入代金の100万円です。

株式を売却するか継続保有するかの意思決定において、過去にいくらで購入したかを考慮してはいけないのです。
考慮するのは現在の価格60万円から将来値上がりするのか値下がりするのか、将来いくらの配当が期待できるのか、保有を続けることによるコストはいくらで、売却するためのコストはいくらかです。

人は往々にして買った時の100万円以下では売りたくないという感情に駆られてしまいます。
埋没コストの影響により損切りができなくなってしまうという埋没コストの弊害の典型例です。

意思決定によって変えられるのは未来だけです。過去にいくらで購入したのかは関係ないのです。

機会コストとは

機会コストとは、複数ある選択肢から1つを選択した場合に失うことになる、次善の策(2番手のプラン)から得られる利益です。機会コストは意思決定の際に考慮しなければなりません

注意しなければならないのは、選ばれなかった選択肢すべての合計ではなく、選ばれなかった選択肢のうち最善のものを機会コストと呼ぶということです。

例えば、投資案A=利益100、投資案B=利益80、投資案C=利益150のとき、投資案Aを選択したときの機会コスト=150、投資案Bを選択したときの機会コスト=150、投資案Cを選択したときの機会コスト=100です。

資金・人材などの経営資源が限られている中小企業経営においては、すべての投資案を実行することはできません。
値引きしてでも契約をとるのか、とらないのかという場面でも機会コストは関係します。

複数ある選択肢からの選択を迫られた時に、その選択の指針のひとつとなるのが機会コストです。

埋没コストとの決定的な違いは、埋没コストは焦点が過去にあるのに対し、機会コストの焦点は未来にあるという点です。
意思決定の目的は未来を創る、または変えることですので、機会コストは考慮に入れなければなりません。

意思決定を磨くために

意思決定をおこなう際には、埋没コストと機会コストは明確に区別して考えなければなりません。

埋没コストを考慮してしまうと最善の選択肢を選べなくなってしまいます。
厄介なことにこの埋没コストは、財務会計で言う原価や費用の概念との混同が起こりやすく、会計の知識がある人ほど罠にはまりやすいです。

そして、埋没コストを考慮してしまう心理的な要因として、人間は利得を得るよりも損失を回避する心理的傾向の方がが強いという「損失回避性」があります。
100万円の利益を得る喜びよりも、100万円の損失を受ける痛みの方が人の心を強く動かすのです。
ノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマン教授のプロスペクト理論によって、「人間は利得よりも損失の方が2倍強く感じる」と証明されています。
200万円の利益があって、やっと100万円の損失と心理的に釣り合うのです。

とにかく人は損をしたくない生き物です。

埋没コストと機会コストの概念を知り、今頭に浮かんでいるのがどちらなのか、埋没コストに捕らわれていないか、機会コストは正確に考慮されているか、チェックすること、そして人は元来過剰に損を避けたがる生き物であると自覚して冷静に損得を判断することによって、不合理な意思決定に陥る罠は相当程度回避できるのではないでしょうか。

過去はどうやっても変えられません。変えられるのは未来のみです。
意思決定の際の目線は未来に向けましょう。

さらに踏み込んだお手伝いが必要なら

当事務所の経営戦略支援では、会社の継続的な成長を支援するため、経営者の頼れる右腕となることを目的としています。
そのために日々研鑽・実践・フィードバックを重ねています。

法人経営に特化した当事務所の支援策にご興味のある方は、お気軽にお問合せください。

 

 

お問合せ・ご相談はこちら

お問合せ・ご相談は、フォームにて受付しております。まずはお気軽にご連絡ください。

受付時間
9:00~17:00
定休日
土曜・日曜・祝日

お気軽にお問合せください

フォームでのお問合せは24時間受け付けております。お気軽にご連絡ください。

アクセス

住所

〒104-0033
東京都中央区新川1丁目3番21号
BIZ SMART茅場町4階

東京メトロ東西線・日比谷線
「茅場町」駅より徒歩3分

JR京葉線
「八丁堀」駅より徒歩7分

受付時間

フォームでのお問合せは24時間受け付けております。

定休日

土曜・日曜・祝日

お役立ち情報のご案内

おすすめコンテンツ
お役立ち情報をご提供しています。
ぜひご一読ください。