
利益構造の「掛け合わせ」で高収益と節税を両立させる方法
ビジネスで安定した高収益を生み出すためには、単一の稼ぎ方に依存せず、複数の利益構造を組み合わせることが重要です。これはマーケティング戦略や売上アップの観点だけでなく、節税対策という観点からも極めて有効です。
本記事では、「広告」「会費」「製造販売」「請負」「仲介手数料」「利用料」といった異なる利益構造を組み合わせることで、どのように収益性と税務効率を高められるのか、具体的事例を交えて解説します。
なぜ掛け合わせが節税にもつながるのか?
節税の基本原則は、「利益の分散」と「経費の最適化」です。利益構造の掛け合わせを行うことで、以下のような節税メリットが生まれます。
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収益源が分散されることで、キャッシュフローに余裕ができ、税金をコントロールしやすくなる
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利益の出る部門と赤字の部門をうまく組み合わせることで、全体の課税所得を抑えることが可能
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新規事業への投資や設備購入が必要になり、それ自体が経費として節税につながる
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法人化や事業分社化のタイミングを選びやすくなる
つまり、掛け合わせによって生まれる多様なキャッシュフローは、税務戦略の柔軟性を高める武器となるのです。
【事例1】広告 × 会費 × 製造販売(YouTuber型モデル)
YouTubeビジネスでは、広告収入(Googleからの入金)は法人で受け取ることで、社会保険料や個人の課税所得への影響をコントロールしやすくなります。
次にオンラインサロンやセミナー収益(会費・製造販売)を法人化すれば、会場費や撮影機材費、スタッフ人件費などを必要経費として合法的に計上可能です。
ここでの節税ポイント:
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サロン収益を毎月安定させることで、計画的な利益調整が可能
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高額セミナーや教材販売を定期的に行えば、狙った時期に集中して利益を上げ、必要経費を計画的に使う選択肢が生まれる
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YouTube機材やコンテンツ制作費も必要経費化しやすい
【事例2】請負 × 製造販売 × 仲介手数料(ライタービジネス型)
フリーランスからスタートし、自身のスキルをスクールとして「商品化」し、その後、卒業生に仕事を紹介することで仲介手数料を得る構造です。
このビジネスの節税観点での強みは、「教育」と「人材紹介」という業態を持つことで間接的な経費や将来の投資が生まれやすいことです。
節税ポイント:
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スクール運営に必要な教材開発費、撮影・編集費などを初期投資として計上
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請負収入の課税負担を抑えるため、収益の一部を法人化し、教育部門と分けることで税率コントロールが可能
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仲介手数料は継続課金型収入として管理しやすく、法人収益の柱にしやすい
【事例3】製造販売 × 請負 × 会費(クリエイター型)
作品を作って売る(製造販売)ことに加え、依頼制作(請負)と、ファンクラブや作品利用権の販売(会費)を組み合わせるこのモデルは、非常に節税に強いビジネス構造です。
例えば:
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作品制作のために購入した道具・機材・素材がすべて経費となる
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オンライン上の会員向けコンテンツのためのサーバー費用やアプリ開発費も経費
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請負制作が繁忙になると、外注スタッフへの支払で税引前利益をコントロールできる
さらに、会費ビジネスは継続収入かつ低コストで運用できるため、利益率が高く、黒字化しやすい点が大きなメリットです。
【事例4】利用料 × 会費 × 請負(ソフトウェア型)
自作ソフトの利用料に加えて、サポートコミュニティ(会費)と、カスタマイズ対応(請負)を提供するモデルは、初期開発費を有効に回収できる設計です。
節税的なポイント:
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ソフトウェア開発にかかった外注費・人件費・設備費を経費計上
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利用料型のビジネスは売上の予測が立ちやすく、節税タイミングを事前に調整しやすい
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カスタマイズ(請負)を法人化しておくと、利益の分散が可能に
特にIT系ビジネスでは、「個人開発 → 法人運用」というフェーズ設計をすると、個人の所得税を抑えながら所得税より低い法人税の税率にシフトすることが可能になります。
【事例5】製造販売 × 請負 × 利用料(ノウハウ商品化モデル)
セミナーでノウハウを提供し(製造販売)、依頼があれば実作業を引き受け(請負)、さらに機材レンタルなどの利用料収益を加えるこのモデルも、節税と高収益のバランスが非常に優れた構造です。
節税の工夫:
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機材レンタルにかかる減価償却費を適切に経費として処理
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セミナー開催にかかる交通費、会場費、資料作成費なども経費化しやすい
まとめ:掛け合わせ×節税で「お金が残る」ビジネスに
高収益を目指すとき、多くの人は「売上をどう増やすか」に意識が偏りがちです。しかし本質的に重要なのは、「利益をどう残すか」です。
利益構造を3つ以上掛け合わせることで、単なる売上拡大だけでなく、経費の範囲が広がり、税負担を適切にコントロールできるというメリットがあります。
特に個人事業から法人化を検討している段階では、こうしたモデルを意識して設計することで、初年度からの黒字化と、適法な節税による資金の最適化が実現できます。
「どう売るか」だけでなく、「どう稼ぎ方を組み合わせ、どう節税するか」まで設計してこそ、真に強いビジネスが育ちます。