労働集約型から脱却!税理士が教える「儲かる構造」への転換術

こんにちは。越谷市の法人税務を専門とする税理士の若尾です。

今回は、「頑張って働いているのに、お金が全然残らない」という悩みを抱える中小企業の経営者に向けて、働き方と儲け方の構造そのものを変える方法をお伝えします。

この話の本質は、単に節税や売上アップではなく、ビジネスモデルの型を変えるという発想です。

キーワードは「脱・労働集約型」です。

目次

労働集約型の限界とは?

労働集約型とは、人手をかけて売上をつくる仕組みのことです。人が動くことでお金を稼ぐという構造です。

たとえば次のような業態です。

  • 士業(税理士、弁護士など)
  • サービス業(整体、美容院、エステなど)
  • 工事業(大工、設備工事など)

これらのビジネスは、一定の売上までは確かに安定しています。
しかし、あるラインを越えると人手不足・教育コストの増加・管理業務の負担といった壁に直面します。

このビジネス構造の最大の問題は、「投下できる時間の限界」=「ビジネスの成長の限界」となることにあります。足りない時間は人を採用するか外部委託に頼ることとなります。

この採用難の時代に、常に人手を増やし続けながらでないと成長できません。

そして、人に依存する構造では「人が辞める=売上が落ちる」「教育に時間がかかる」「質が安定しない」というリスクが常にあります。

儲かるビジネスに共通する「3つの非・労働集約」

利益率が高い会社には共通点があります。それは、次の3つの「非」を取り入れていることです。

「非・1対1」1人で多数相手にサービスを提供できる仕組み

1対1の個別対応ではなく、1対多の構造に変えることで、労働時間と売上の比例関係を断ち切ることができます。

  • 個別対応 → グループ対応(例:セミナー、グループコンサル)、教材のオンライン販売
  • 手作業 → 自動化、テンプレート化、動画化

この変化により、同じ作業でも何十人、何百人に同時に価値を提供できるようになります。
結果として、売上が伸びても時間と人手をそれほど増やさずに済むようになります。

特にオンラインを活用したサービス提供は、場所の束縛を受けず、全国どこの顧客にも価値提供できる点が強みです。

「非・単発取引」1人のお客様と継続的に取引できる仕組み

1回きりの取引で終わる商品よりも、継続取引ができるビジネスモデルの方が安定的に利益が残ります。

  • 単発契約 → 顧問契約
  • 商品販売 → 定期配送サービス
  • 単発イベント → 会費制コミュニティ

このような形にすることで、毎月安定した売上が見込めるようになり、資金繰りも安定します。
事業計画も立てやすくなり、無理な営業をかけずに済むようになります。

継続型はお客様との信頼関係が築けるというメリットもあります。
信頼が蓄積されるほど、価格競争からも脱却でき、値引きなしで選ばれる事業へと進化していきます。

「非・有形依存」在庫を持たない仕組み

有形の商品は保管・管理・廃棄のリスクがあります。配送コストもかかってきます。
そこで、情報・ノウハウといった無形の資産を販売することで、利益率が格段に上がります。

  • モノ販売 → ノウハウ提供
  • 印刷物 → 電子書籍・PDF・動画

無形商品は、売れれば売れるほど利益率が改善し

また、お客様にとっても「購入場所が縛られない」「すぐに手に入る」などの利便性があるため、お客様への提供価値との向上も期待できます。

「儲かる構造」は節税にも直結する

労働集約型ビジネスから脱却すると、利益率が上がり、キャッシュフローが改善されます。

1対多の仕組みや無形商品は、追加コストがほとんど発生しません。これにより、売上が増えれば増えるほど利益が増えるという良いスパイラルが生まれます。

この利益を、そのまま税金で消すのではなく、未来への投資(仕組み化、情報発信、教育など)に使うことで、納税額を減らしながらより強い経営基盤を築くことができます。

節税ばかり考える会社ほど、未来への投資ができておらず、安易な経費にお金をつぎ込みがちです。

不要な接待、無用な備品、無駄な保険など、利益を減らすことを目的とする支出をしていてはお金は増えません。

あなたの会社でもできる「3つの第一歩」

利益構造の転換は一気に進める必要はありません。まずは以下の3つの視点の中から、取り組みやすいものを一つ選んで始めてみましょう。

「今の仕事で、1対多にできることはないか?」を考える

→ 同じ説明を繰り返している作業があれば、それをセミナーや教材にするだけで仕組みが変わります。

「今の取引で、継続型にできるものはないか?」を探す

→ 今は単発で提供している商品やサービスを、定期契約やサブスク契約にできないか見直してみましょう。

「有形から無形へ変えられる部分はあるか?」を洗い出す

→ モノに頼らないビジネスに転換できれば、保管・廃棄・配送などのコストも削減できます。

まとめ

労働集約型のビジネスモデルでは、働いた分しか利益が出ません。そして、時間や人手には限界があるため、いずれ成長も利益も頭打ちになります。

その一方で、仕組みを持った非・労働集約型のビジネスでは、売上が伸びてもコストを抑えることができ、利益がどんどん積み上がっていきます。

この差は、営業力やマーケティング力ではなく、構造の違いです。

お金が残らないのは、あなたが頑張っていないからではありません。残らないような仕組みになっているだけです。

この機会に、ぜひ自社のビジネスモデルを見直してみてください。

できることからで構いません。できることはないと最初からあきらめずいろんな視点から考え抜いてください。
そうして、まずは一歩を踏み出すことで、数年後にはまったく異なる景色が見えてきます。

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わかお税理士
税理士(税理士登録番号:140275)、国際認証MBA(経営学修士)、ファイナンシャル・プランナー

20年以上の実務経験の中で、上場企業から中小零細企業まで100数十名の社長の経営・税務・資産形成を継続的にサポート。
「節税は手段であって目的ではない」をモットーとし、中長期的に会社の健全な成長に貢献する節税策のみを提案している。

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