共感が決め手!「この人から買いたい」を生むストーリーの力

「同じような商品を出しているライバルが多くて、価格で勝負するしかない」
「機能や品質では負けていないのに、なぜか選ばれない」
「うちの強みを伝えても、響いていない気がする」
こんなお悩み、ありませんか?
実は、今の時代に最後の決め手になるのは、価格でもスペックでもありません。
お客様はもっと感情的に、「共感できるかどうか」で選んでいます。
今回は、あなたの会社がこの人から買いたいと言われる存在になるために、
ストーリーと共感を使ったマーケティングの力をお伝えします。
顧客は「合理的に」ではなく「感情で」選ぶ
よくある間違いは、「機能や価格で差別化しよう」と頑張ってしまうことです。
確かに、商品に特徴があるのは大切です。
しかし、情報があふれる今の時代、機能の差だけでは判断されにくくなっています。
その道の専門家ではないお客様へ細かい機能の差をアピールしても、その違いがわからなかったりもします。
商品・サービスを一番よく知る自社とお客様では、解像度が違うのです。
900万画素の写真と1200万画素の写真を比べても違いはあまり感じなくないですか?
じゃあ、何が選ばれる決め手になるのか?
それが、「この会社(この人)にお願いしたい」という共感です。
「期待通り」はゼロ地点にすぎない
まず知っておきたいのが、期待を満たすことはゴールではないということです。
満足度は、商品やサービスが「期待通り」のものであったときにゼロになる。
期待より下だと「マイナス」、期待を超えたら「プラス」になる。
暑い日に自販機でお茶を買って、冷えたお茶が出てきてやっと満足度ゼロです。
「冷たいお茶が出てきたからまたこの自販機で買おう!」とはなりません。
つまり、期待を満たすだけではリピートにはつながらないし、価格にも納得してもらえないのです。
だからこそ、「期待を超える感情の動き=共感」をどう生むかが、経営において最も重要な課題になってきます。
「共感」を生むストーリー構成:失敗から成功が鍵
人はストーリーに感情移入します。
特に、「成功体験」だけでなく、「失敗→復活」の流れがあると、強く記憶に残ります。
ストーリー構成の流れ
- 小さな成功(起点)
- 想定外の挫折・困難(落ち込み)
- そこからの学び・気づき(転機)
- 再挑戦・再成長(復活)
- 今の成果・強み(現在地)
なぜ失敗から成功が効くのか?
- 挫折や失敗があると、「この人も同じ人間なんだ」と安心します
- 苦労した人ほど、応援したくなります
- 成功の裏にあるストーリーに「共感」が生まれます
あなたのビジネスにも、このような失敗と成功のストーリーがあるはずです。
それを丁寧に言語化するだけで、商品ではなくあなた自身が選ばれるようになります。
商品の強みは単体で語らず、開発秘話とセットで語る
人は、ただ「すごいこと」「自慢話」には興味を持ちません。
それよりも、「あの人も昔は苦労してたんだな」「だからこそ今の言葉に重みがある」と感じた瞬間に、心を動かされます。
例1:製造業の経営者
- 強みだけ:
「うちは業界最速の納品スピードです」 - 開発秘話とセット:
「昔、納期を守れずお客様に怒鳴られて…それが悔しくて、社内体制を一から見直しました。今は、発注から48時間以内の納品を実現しています」
→ 同じ内容でも、「なぜそれを強みとしたのか」が伝わると、共感が生まれます。
例2:カフェオーナー
- 強みだけ:
「落ち着いた空間づくりにこだわっています」 - 弱みとセット:
「実は昔、騒がしいカフェで仕事に集中できず苦労して…だからこそ、ひとりで安心して過ごせる空間を作りたかったんです」
→ 顧客の気持ちに寄り添ってくれるお店として、記憶に残ります。
顧客の「5つの欲求」に刺さる伝え方をする
共感を生むには、お客様の深い欲求に寄り添うことが大事です。
ウィリアム・グラッサー博士の研究によると、人の根本的な欲求は、以下の5つに分類できます(選択理論)。
| 欲求 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| 所属・愛 | 誰かとつながっていたい | 常連さん同士が交流できるコミュニティ |
| 力・価値 | 認められたい・評価されたい | 会員限定・VIP制度・感謝のメッセージ |
| 楽しみ | ワクワク・面白さがほしい | イベント・サプライズ・抽選企画 |
| 自由 | 自分のペースで選びたい | 選択肢が多い、押し売りしない接客 |
| 安心・安全 | 信頼できる・ミスがない | 保証制度・事前の丁寧な説明 |
たとえば、「自由を重視する人」には、グイグイと提案せず、比較材料を出してお客様自身で選んでいただくと安心されます。
「楽しみ」が欲しい人には、「いつ来ても何かある店」にするとリピート率が上がります。
あなたのターゲットは、どの欲求が強そうですか?
どの欲求が強いお客様と付き合いたいですか?
まとめ:ストーリーと共感が、価格競争からあなたを救う
価格、機能、サービス内容――それだけでは差別化が難しくなっている今
最後にお客様が選ぶのは「人」そのものです。
だからこそ、
- 「この人の想いに共感した」
- 「この会社の背景を知って応援したくなった」
- 「なんか好き」
そんな感情の動きを作れるかどうかが、会社の未来を左右します。
今すぐできるアクション
- 自分の失敗から成功ストーリーを1本書いてみる
- 商品やサービスに「なぜそれをやっているのか」の背景を加える
- 自社の顧客が持つ「5つの欲求」を考え、それに合った接し方にする
- ホームページやSNSで、人となりが伝わる発信を増やす
