なぜあの会社は少ない労力で稼げるのか?高収益ビジネスに共通する3つの仕組み

はじめに:毎月の売上に一喜一憂していませんか
商品が売れた月は安心できるけれど、翌月はまたゼロからのスタート。
こんな状況に心当たりはありませんか。
中小企業を経営していると、どうしても目の前の売上を追いかけることに精一杯になりがちです。
新規のお客様を獲得して、商品やサービスを提供して、代金をいただく。
これを繰り返すことで会社は回っていきます。
もちろん、それは立派なビジネスの形です。
ただ、正直なところ、毎月毎月この繰り返しだけでは疲れてしまいますよね。
せっかく良い商品を持っていても、お客様との関係が一度きりの取引で終わってしまうのは、実はとてももったいないことなのです。
この記事では、高収益なビジネスに共通している利益構造の掛け合わせという考え方をお伝えします。
難しそうに聞こえるかもしれませんが、要するに複数の収入源を上手に組み合わせて、一つの行動から複数の利益が生まれる仕組みを作ろうという話です。
最後まで読んでいただければ、あなたの会社でも応用できるヒントがきっと見つかるはずです。
利益構造の掛け合わせとは何か
利益構造の掛け合わせとは、ビジネスの中に異なる収入源を意図的に複数作り出し、それらを連動させる戦略のことを指します。
特に高収益な会社を見ていると、最低でも3つの利益構造を組み合わせているケースが多いことに気づきます。
では、なぜこの考え方がこれほど効果的なのでしょうか。
イメージしやすいように、歯車で説明してみましょう。
あなたが今やっている主なビジネス活動を、一つ目の歯車だと考えてください。
例えば、商品を販売したり、サービスを提供したりする活動です。
この一つ目の歯車が回り始めると、それにかみ合っている二つ目の歯車も一緒に回り出します。
さらに、二つ目の歯車には三つ目の歯車がつながっていて、そちらも自然と動き始めるわけです。
つまり、一つの活動に力を注ぐだけで、連動して複数の収益が生まれていく流れを設計するということになります。
単発の取引を繰り返すだけのビジネスと、この仕組みを持っているビジネスでは、同じ労力をかけても得られる成果がまったく違ってきます。
経営者として働く時間は限られていますから、一度の努力から複数のリターンが得られる構造を作ることには大きな意味があるのです。
実例で見る3つの利益構造の組み合わせパターン
ここからは、実際にどのような組み合わせがあるのか、3つのパターンを具体的にご紹介していきます。
業種が違っても、考え方のエッセンスは応用できますので、ご自身のビジネスに置き換えながら読んでみてください。
パターン1:情報発信者の収益モデル
YouTubeやブログで情報発信をしている方に多いパターンです。
組み合わせ:広告収入+会費収入+セミナー販売
このモデルでは、まず動画やブログ記事を通じて広告収入を得ることから始まります。
しかし、本当の狙いはそこではありません。
情報発信の真の目的は、あなたの考えに共感してくれる見込み客を集めることにあります。
集まった見込み客の中で、より深く学びたいという方には、月額制のオンラインサロンや会員サービスを案内します。
これが会費収入です。
さらに、直接学びたいという熱心な方には、セミナーや講座といった高単価の商品を提供していきます。
一つの動画を投稿するという行動が、広告収入、会員獲得、セミナー集客という3つの成果につながっていく構造になっているわけです。
パターン2:専門スキルを持つフリーランスの収益モデル
次な専門的な知識やスキルで収益を得るフリーランスの方のパターンです。
組み合わせ:請負仕事+スクール運営+仲介手数料
例えばフリーライターの場合、
まずは企業のコラム執筆を請け負うことで実績を積み重ねていきます。
この段階では、働いた分だけ報酬をいただく形です。
ある程度実績ができてくると、これまで培ってきた仕事の獲り方や文章の書き方をまとめて、ライター養成スクールを立ち上げます。
こうして自分のノウハウを商品化します。
ここまでは珍しくない展開かもしれません。
さらにその先が重要です。
スクールの卒業生に対して、自分のところに来た仕事を紹介する仕組みを作ります。
卒業生が仕事を受注するたびに、紹介手数料が入ってくる流れを作るのです。
このモデルの最大のポイントは、3つ目の仲介の仕組みにあります。
自分が手を動かさなくても収益が上がる流れを持っているかどうか。
これが、いつまでも忙しい経営者と、余裕を持って経営できる経営者の分かれ道になることが多いのです。
パターン3:ソフトウェア開発者の収益モデル
自作のツールやソフトウェアを提供している方向けのパターンになります。
組み合わせ:利用料+コミュニティ会費+カスタマイズ請負
最近のソフトウェアビジネスは、製品を一度売って終わりの買い切り型から、月額や年額で利用権を提供するサブスクリプション型に移行してきています。
これが最初の収益の柱です。
次に、ソフトウェアの効果的な使い方を教えたり、ユーザー同士が情報交換できたりする有料コミュニティを作ります。
このコミュニティがあることで、顧客との関係が深まり、解約率を下げる効果も期待できます。
そして、コミュニティ内でやり取りを重ねるうちに、うちの業務に合わせてこの機能を変えてほしい、こんな機能を追加してほしいという要望が出てきます。
この個別カスタマイズに応えることで、高単価の請負仕事につながっていくのです。
利用料という安定収入をベースにしながら、コミュニティで関係を深め、カスタマイズで大きな売上を作る。
この3層構造が、ソフトウェアビジネスを安定させる鍵になります。
あなたのビジネスに3つの掛け合わせを取り入れる手順
3つの事例を見てきましたが、共通するパターンが見えてきたのではないでしょうか。
ここからは、あなた自身のビジネスでこの考え方を実践するための具体的な手順をお伝えします。
手順1:今の主な収益源を明確にする
最初に、あなたの会社の現在の主な収入源が何かをはっきりさせましょう。
お客様から仕事を請け負って報酬をいただく請負型でしょうか。
自分で作った商品を販売する製造販売型でしょうか。
それとも、何かを貸し出して利用料をいただく形でしょうか。
この主な収益源が、あなたのビジネスにおける一つ目の歯車になります。
まずはここを起点として考えていくことが大切です。
手順2:培ってきた経験やノウハウを商品化できないか考える
次に、今の仕事を通じて身につけてきた経験、スキル、知識を棚卸ししてみてください。
それらを他の人にも提供できる形にできないでしょうか。
例えば、セミナーとして教える、オンライン講座にまとめる、マニュアルや教材として販売するといった方法が考えられます。
長年その仕事をやってきた人にとっては当たり前のことでも、これから始めようとする人にとっては非常に価値のある情報であることは珍しくありません。
自分では大したことないと思っている知識が、実はお金を払ってでも知りたい人がいる情報かもしれないのです。
手順3:お客様の次のニーズを想像する
最後に、あなたの商品やサービスを利用してくれたお客様が、その後どんなことを求めるかを想像してみましょう。
もっと手厚いサポートが欲しいという声があれば、サポートコミュニティを作って会費をいただく形が考えられます。
自分もあなたのようになりたいという声があれば、仕事を紹介して手数料をいただく仕組みが作れるかもしれません。
自分の状況に合わせてカスタマイズしてほしいという要望には、個別対応の請負サービスで応えられます。
自分でやりたいから道具を貸してほしいという場合は、機材や設備のレンタルという選択肢があります。
お客様との関係を一度きりで終わらせず、次に何を求めているかを考えることで、3つ目の収益の柱が見えてくることが多いのです。
おわりに:一つの歯車を回すことから始めよう
この記事では、ビジネスの収益性を高めるための利益構造の掛け合わせという考え方について、具体的な事例とともにお伝えしてきました。
高収益なビジネスを作る鍵は、お客様との関係を単発の取引で終わらせないことにあります。
最低でも3つの利益構造を戦略的に組み合わせて、長期的な関係を築いていくことが大切です。
一つの歯車を回し始めると、他の歯車も自動的に回り出す。
このイメージを持ちながら、まずはあなたのビジネスの一つ目の歯車をしっかり回すことから始めてみてください。
その一歩が、あなたのビジネスをより安定した、より収益性の高いステージへと導いてくれるはずです。


