忙しいのに儲からない社長と、余裕があるのに稼ぐ社長の決定的な違い

毎日やることに追われて、気づけば夜。
朝から晩まで働いているのに、売上にはつながっていない気がする…。
そんなモヤモヤを抱えていませんか。

実は、私も起業したばかりの頃は同じ悩みを抱えていました。
メールを返して、名刺を整理して、資料を作り込んで。
一日中バタバタしているのに、月末になると今月は結局何を成し遂げたんだろうと首をかしげる日々だったのを覚えています。

今振り返ると、当時の私には決定的に欠けていた視点がありました。
それは、成果を出すためには何をやるかより、何をやらないかを決めることの方がずっと大切だという考え方です。

成功している経営者は、たくさんの仕事を高速でこなしているわけではありません。
本当に重要なことだけに集中するために、思い切って手放す勇気を持っています。

この記事では、あなたの時間を最も価値ある活動に集中させるための具体的な方法をお伝えしていきます。

目次

時間管理の第一歩は、感情を動かすことから始まる

営業に集中した方がいい。雑務は人に任せるべきだ。
こうしたアドバイスは、経営者なら誰もが一度は耳にしたことがあるでしょう。
頭では分かっている。でも、なかなか行動に移せない。そんな経験はありませんか。

なぜ分かっているのに動けないのか。
その理由はシンプルです。
人は正しいから行動するのではなく、そうしたいという感情が動いて初めて行動に移すからです。
論理や正論だけでは、私たちの心はなかなか動きません。
このままではマズい、これを今すぐ変えなければと強く感じたとき、ようやく行動への推進力が生まれてきます。

では、どうすれば自分の感情を動かすことができるのでしょうか。そのための最もシンプルで強力なツールが日報です。

日報は単なる業務記録ではない

日報と聞くと、会社員時代に書かされていた面倒な報告書を思い出す方もいるかもしれません。
しかし、ここでお話しする日報は、それとはまったく違うものです。
これは、いわばあなたの時間の家計簿と呼べるものです。

家計簿をつけると、何にいくら使ったかが見えてきますよね。
同じように、時間の家計簿をつけることで、自分が一日のうち何にどれだけの時間を使っているかが一目瞭然になります。

この見える化がもたらす効果は、想像以上に大きいものがあります。

たとえば、日報を1か月つけてみたとしましょう。
振り返ってみると、名刺の整理や資料の細かい修正に、合計で20時間も使っていたことが分かったとします。
20時間といえば、丸2日分以上の労働時間に相当します。
この時間があれば、新規のお客様に何件アプローチできたでしょうか。
既存のお客様とじっくり話す時間が取れたのではないでしょうか。

こうした事実に直面すると、多くの方は気持ちがざわざわします。
目先のお金はもったいないけれど、この作業は誰かに任せた方がいい。そんな感情的な変化が自然と起こってきます。
このもったいないという感覚こそが、外部への業務委託など具体的な行動へと背中を押す原動力になります。

まずは自分の時間の使い方を直視してみましょう。それが、賢い優先順位付けへの確かな第一歩となります。

思い切って手放すべき4つのこと

時間の家計簿が、あなたの時間の使い方について警告を発してきたとしたら、それは次のステップに進む準備ができたというサインです。
ここからは、勇気を持って手放すべき4つの領域についてお話しします。

その1:完璧な事業計画書の作成

起業したばかりの頃によく陥りがちな罠があります。
それは、事業計画書を作ること自体が目的になってしまうことです。
私自身も、詳細な計画書を作り上げることに膨大な時間を費やした経験があります。

なぜ、事業計画書に時間をかけすぎることが危険なのでしょうか。理由は大きく2つあります。

まず、計画通りに物事が進む可能性はほぼゼロだということです。
ビジネスの現場は常に変化しています。どれだけ精緻な計画を立てても、その通りに進むことはまずありません。

もう一つは、机上の空論を信じ込んでしまう危険性があるからです。
テストマーケティングもせずに成約率は何パーセントと仮説の数字を立て、それをあたかも事実のように信じ込んでしまう。これは非常に危険な状態といえます。

中小企業にとって最適なアプローチは、エクセルでざっくりとシンプルな計画で十分だと私は考えています。
大切なのは、完璧な計画書を作ることではありません。
立てた計画と実際の現場がどう違ったかを検証し、そこから学びを得ていくこと。こちらの方が何倍も価値があります。

その2:丁寧すぎる名刺の管理

名刺交換をすると、いつか連絡するかもしれないと考えて、丁寧に整理したくなる気持ちはよく分かります。
交流会やセミナーに参加すると、一度に何十枚もの名刺が手元に集まることもあるでしょう。

しかし正直に申し上げると、そのいつかはほとんどの場合やってきません。

効率的な名刺管理の方法は、もっとシンプルにできます。

まず、交換した名刺はスキャナで読み込み、名刺管理アプリに自動で取り込んでしまいましょう。
100枚あっても5分程度で終わります。
そして、名刺交換をしたその日のうちに、お礼のメールを送ったりSNSでつながっておくことが大切です。

この方法の最大のメリットは、後で連絡を取りたくなったときに名刺データを探す必要がなくなることにあります。
過去のメール履歴やSNSのメッセージを検索すれば、すぐに相手にたどり着けます。

その3:目的があいまいな訪問

移動時間は想像以上に大きなコストになります。
とりあえずご挨拶に、一度お伺いして…。
こうした目的があいまいな訪問に、どれだけの時間を費やしているでしょうか。

多くの打ち合わせはオンライン会議で完結できますし、簡単な連絡ならメールで十分なケースがほとんどです。

常にこの訪問は本当に必要かと自問する習慣をつけてみてください。
不要な訪問を減らすことは、自分の時間を守るだけでなく、相手の貴重な時間を奪わないという配慮にもつながります

もちろん、どうしても直接会って話すことが必要な場面もあります。
そんなときは移動時間を有効に活用する工夫をしましょう。
電車の中で本を読んで知識をインプットしたり、車窓の風景を撮影してSNSのコンテンツにしたり。
移動というコストを、少しでも事業への投資に変換するのです。

その4:こだわりすぎた資料作り

提案資料を作るとき、ついデザインや見栄えにこだわってしまうことはありませんか。
写真を選び、レイアウトを整え、色合いを調整する。
気づけば何時間も、場合によっては何日も費やしてしまっている。これでは資料作りそのものが仕事になってしまっています。

ここで忘れてはならない事実があります。
それは、綺麗な資料だからといって、お客様の購買意欲が高まるわけではないということです。

理想的な資料は、A4用紙1枚程度に要点をまとめたものです。
含めるべき内容は、商品やサービスの特徴、導入するメリットとデメリット、そして導入までの流れとコスト。
この3点があれば十分でしょう。

まずはシンプルな資料で説明し、お客様から詳しく知りたいと要望があった場合にのみ、補足資料を提示すれば十分です。
立派な資料は、作る時間も説明する時間も余計にかかります。
その時間を、売上に直結する活動に振り向けた方が、ずっと効果的ではないでしょうか。

限られた時間を最大限に活かすために

ここまでお読みいただいた中で、最も大切なメッセージは何でしょうか。

それは、中小企業経営者の成功は労働時間の長さではなく、限られたリソースをどこに集中させるかという戦略的な判断にかかっているということです。

やるべきことに追われる毎日から抜け出し、成果を最大化するためのステップは、とてもシンプルです。

まず、日報という時間の家計簿をつけて、自分の時間の使い方を見える化します。
そこから得られる客観的なデータが、このままではまずいという強い感情を呼び起こします。
そしてその感情こそが、完璧な事業計画書やこだわりすぎた資料作りといった本質的でない作業にノーと言う勇気を与えてくれます。

時間の使い方を見える化して、感情を原動力にやらないことを決めていく
この2つのステップを実践することが、あなたのビジネスを次のステージへと導く鍵になります。

あなたの時間は、他の何にも代えがたい最も貴重な資源です。ぜひ賢く使って、大きな成果を手にしてください。

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わかお税理士
税理士(税理士登録番号:140275)、国際認証MBA(経営学修士)、ファイナンシャル・プランナー

20年以上の実務経験の中で、上場企業から中小零細企業まで100数十名の社長の経営・税務・資産形成を継続的に支援。
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