お客様を増やすより、今いるお客様を大切にした方がうまくいく理由

広告を増やしても売上が伸びない…その原因は意外なところにあります

決算前になると、多くの社長さんからこんなご相談をいただきます。

「先生、今期の売上目標まであと1,000万円足りないんです。Web広告の予算を倍にして、一気に新規客を取りに行こうと思うんですが、どう思いますか?」

お気持ちは痛いほどわかります。
売上を伸ばしたいなら客数を増やす。これはごく自然な発想でしょう。

ただし、2020年代の今、その戦略は期待した成果につながりにくくなっています。

かつてはWeb広告にお金をかければ、それなりに新規客が獲得できました。
しかし今は、広告費をかければかけるほど1件あたりのコストが膨らみ、利益を圧迫するケースが増えているからです。

私が担当している企業の帳簿を見ていても、広告宣伝費が年々増えているのに営業利益は横ばい、あるいは減少している会社が少なくありません。
これは経営者の努力が足りないのではなく、市場環境が大きく変わったことが原因です。

本記事では、なぜ新規獲得のコストがここまで上がったのか、そしてなぜ既存客を大切にすることが利益につながるのか、その根拠と具体的な対策についてお伝えします。

目次

新規客の獲得コストは5年で60%以上も高騰している

デジタル広告の費用対効果が急激に悪化しています

5年ほど前であれば、リスティング広告やSNS広告は中小企業にとって強い味方でした。
少ない予算でも、ターゲットを絞って効率よく見込み客にアプローチできたからです。

しかし、状況は一変しました。

マーケティングの世界にはCACという指標があります。
新規客を1人獲得するためにいくらかかったかを示す数字です。
ある調査によると、このCACは業種を問わず過去5年で60%以上も高騰しています。

理由は2つあります。

1つ目は、競合他社が一斉にデジタル広告に参入したことです。
同じキーワードを狙う会社が増えれば、当然入札単価は跳ね上がります。

2つ目は、個人情報保護の規制強化です。
Cookie規制などにより、以前のようにピンポイントでターゲットを絞り込むことが難しくなりました。

つまり今は、高いお金を払って精度の落ちた広告を激戦区に出している状態です。
これでは費用対効果が悪化するのも無理はありません。

新規客は最初の取引では赤字になることが多い

チラシを撒いて、クーポンをつけて、ようやく来てくれた新規客。
その方が初回に落としてくれる利益は、チラシ代、デザイン費、クーポンの割引分、スタッフの人件費をカバーできているでしょうか。

正直なところ、初回取引だけで見れば赤字になっているケースがほとんどではないでしょうか。

もちろん2回目、3回目と来ていただければ元は取れます。
しかし、今の消費者は選択肢が豊富です。
一度来たからといって、次も来てくれる保証はどこにもありません。

新規客を獲得するコストは、既存客を維持するコストの5倍かかる

マーケティングの世界では1対5の法則が有名です。
新規客を獲得するコストは、既存客を維持するコストの5倍かかるというものです。

なぜここまで差が開くのか。リピーターがもたらす経済的メリットは4つあります。

リピーターが利益を生む4つの理由

まず、獲得コストがかかりません
すでに関係ができているので、広告を打つ必要がないからです。
LINEのメッセージ1本、ハガキ1枚で来店してもらえます。
この時点で、利益率は新規客より格段に高くなります。

次に、客単価が上がりやすい特徴があります。
信頼関係ができているため、追加の商品やオプションを提案したときに受け入れてもらいやすいからです。
初めてのお客様が慎重に財布の紐を締めるのとは対照的です。

また、サービス提供のコストも下がります
いつものやり方で通じるので、説明に時間がかかりません。
クレームのリスクも低いため、現場のスタッフも余裕を持って対応できます。

そして最大のメリットは、紹介につながることです。
満足したリピーターは、自分と似た価値観を持つ人を連れてきてくれます。
この紹介客は広告費ゼロで獲得でき、しかも定着率が高いのが特徴です。

お金の使い道を見直してみませんか

既存客を徹底的にえこひいきしてください。

具体的には、広告宣伝費の予算を半分にカットし、その分を既存客への還元に回すことをおすすめします。

たとえば、全顧客に送っていた一律のDMをやめて、上位20%の優良顧客だけに手書きの手紙を送る。
新規向けの割引クーポンを廃止して、常連客の誕生日に花を贈る。
見込み客との接待を減らして、長年の取引先と感謝の会食をする。

既存客を感動させれば、彼らが自然と営業マンになってくれます。
あのお店は誕生日に花をくれるのよ、すごく大切にしてくれる会社があってね。
そんな口コミは、お金をかけた広告より説得力があり、質の良い新規客を連れてきてくれます。

さいごに

もし今、新規獲得キャンペーンの企画があるなら、少しだけ立ち止まってみてください。

代わりに顧客台帳を開いて、一番長く付き合ってくださっているお客様、一番売上に貢献してくださっているお客様の名前をリストアップしてみてください。

そして、その方々に電話をするか、手紙を書いてみてください。
いつもありがとうございます、おかげさまで会社を続けられていますと。

それが、今できる最も投資対効果の高いマーケティングです。
ビジネスは、新しい出会いよりも、今ある縁を深めることで強くなります。

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わかお税理士
税理士(税理士登録番号:140275)、国際認証MBA(経営学修士)、ファイナンシャル・プランナー

20年以上の実務経験の中で、上場企業から中小零細企業まで100数十名の社長の経営・税務・資産形成を継続的に支援。
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